樹木希林さんの遺作となったドイツ映画公開


今日は、8月に公開されるドイツ映画のお知らせです。

昨年9月に亡くなった樹木希林さんの最後の出演作となった、ドーリス・デリエ監督の「命みじかし、恋せよ乙女」(原題 Cherry Blossom and Demons)が8月16日(金)からTOHOシネマズ シャンテ他にて全国順次公開されます。

これは、2008年の同監督の映画「HANAMI」の続編。「HANAMI」の内容を簡単に書きますね。急死した妻の夢だった日本へ来たドイツ人男性(ルーディ)。息子(カール)が東京で働いていますが、冷たくされ、東京をさまよい歩く中、桜の満開の下で舞踏を躍っていた少女(ユウ)と仲良くなります。妻が憧れていた富士山を見にユウと2人で河口湖へ。ルーディは、妻の着物を羽織り、月夜の幻想の中、妻の亡霊と踊ります。翌朝、湖畔で息耐えているのが見つかります。このような話でした。

今回の映画は、息子のカールが自分自身を見つめ直す物語。アルコール中毒で苦しむカールが、離婚した妻の元にいる娘の誕生会から追い払われ、助けてくれ、と夜1人泣き崩れた翌日、日本人少女ユウがミュンヘンのカールのアパートを訪れます。カールは子供の頃住んでいた南ドイツの田舎の家にユウと行き、両親の亡霊や自分の悪霊と対峙し、半生を振り返ります。そんな中、ユウが姿を消し、カールは再び日本にへ。茅ヶ崎館という旅館で祖母(樹木希林)と出会い。。。

茅ヶ崎館は、小津安二郎監督の遺作となった「秋刀魚の味」の撮影時に希林さんが、杉山春子さんの付き人として、訪れていたそうです。現在も有形文化財の旅館として営業しています。邦題の、命みじかし恋せよ乙女は・・・♪は、劇中で庭の芙蓉の花を眺めながら希林さんが口ずさむ歌。映画のクライマックスは、7月海の日に茅ケ崎で行われる浜降祭(はまおりさい)です。芙蓉の花の盛りは夏。映画をご覧になったら、茅ケ崎館に一度訪れてみてはいかがでしょうか?

ドーリス・デリエ監督は年に1度は訪日するほど日本を愛するドイツ人女性。映画のオープニングとエンディングを彩るのは、日本の妖怪達。なまはげの様なドイツのブッテンマンドルとい怪物も登場します。亡霊達との対話は時に辛いものですが、闇から光へと主人公を導いているようにも感じました。

主人公を演じるのはドイツ人俳優のゴロ・オイラー。ミュンヘン近郊のシュタルンベルク出身の映画・テレビで活躍する美形の俳優さんです。ユウを演じるのは、東京芸大出身の舞踏家の入先絢さん。劇中では綺麗なドイツ語を披露しています。

ドイツの撮影場所は、ミュンヘンの南西に広がるアルゴイ地方。映し出される風景は、カールの心象とも重なり、物悲しい雰囲気なのですが、実際は、ドイツアルプスの麓に湖が点在する緑溢れる美しい土地です。ルートヴィヒ2世のノイシュヴァンシュタイン城やリンダーホーフ城、世界遺産ヴィース教会などもドイツを代表する観光名所もこちらにあります。

そして、カール役ゴロ・オイラーさん出身地のシュタルンベルクもオススメです。シュタルンベルクはシュタルンベルク湖の中心となる北湖畔の町。湖沿いにカフェやレストランが建ち並び、明るく開放的な雰囲気です。ミュンヘンからSバーン(郊外列車)でたったの30分。ミュンヘン子のリゾート地です。

シュタルンベルクから少し東南にベルクという集落があり、1886年6月ルートヴィヒ2世がこの湖畔で主治医と遺体で発見されています。発見場所の浅瀬には十字架、そして十字架を見守るように王を偲ぶ礼拝堂(Votiv Kirche)が建っています。ルートヴィヒ2世の夏の離宮、そして廃位後に移送されたベルク城(現在も子孫が所有で中には入れません)も現存。湖の東側は列車が通っていないので、ベルク(Berg)にはシュタルンベルクから遊覧船で来るのがお勧め。対岸のポッセンホーフェン(Possenfofen)にはハプスブルク皇后となったエリザベートが少女時代を過ごした城があります。そして、湖上に浮かぶ薔薇の島(RosenInsel)で、2人は語り合ったと言われています。ご興味あれば、シュタルンベルク湖の遊覧船のHP。をご覧下さい。位置関係が分かりますよ。

ルートヴィッヒ2世の遺体が発見された浅瀬には十字架、その上には王を悼む教会があります。

エリザベートが16才でハプスブルグ家に嫁ぐまで過ごした城。現在は個人所有で、中は見られません。

ちょっと脱線しましたが、もう一度1人でじっくり鑑賞してみたいと思いました。この夏、傷ついた心の再生の旅へ映画館に出掛けてみませんか?


ドイツエクスプレスは、お客様オリジナルのご旅行をお創りしています。ご興味ある場所と日数、予算をお知らせくだされば、ドイツ旅行のプロが最適なプランをご提案いたします。


出演:ゴロ・オイラー 『グランド・ブダペスト・ホテル』、入月絢 『HANAMI』、樹木希林
『万引き家族』
監督・脚本:ドーリス・デリエ 『フクシマ・モナムール』『HANAMI』
配給:ギャガ
©2019 OLGA FILM GMBH, ROLIZE GMBH & CO. KG
原題:Cherry Blossoms and Demons / 2019 / ドイツ / カラー / シネスコ / 5.1chデジタル /
117分 / 字幕翻訳:吉川美奈子
公式HP:gaga.ne.jp/ino-koi
8月16日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ他にて全国順次公開








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