2024年5月～6月！ドイツ魅惑の古都★ドレスデン音楽祭

ドレスデンはかつてのザクセン王国の首都。バロック様式の壮麗な宮殿や教会、貴族の館が建ち並んでいた街ですが、第2次世界大戦の空襲で一夜にして破壊されました。しかし、1985年にはゼンパーオペラが再建、2005年には聖母教会も完成し流麗な街が再びよみがえりました。

ドレスデンのバロック建築群は17世紀末に即位したアウグスト強王によって造られました。ツヴィンガー宮殿やゼンパーオペラ（ドレスデン州立歌劇場）はバロック建築の傑作です。ツヴィンガー宮殿内ではサロンコンサートが、ゼンパーオペラではオペラやバレエが上演されています。

ツヴィンガー宮殿内にあるアルテ・マイスター絵画館に飾られているラファエロの「システィーナのマドンナ」は今も昔も傑作中の傑作として、見る者を虜にしてきました。留学中の森鴎外も鑑賞したことを自身の日記に記しています。また、アウグスト強王は、有田焼に魅せられ、マイセンでヨーロッパ発の陶磁器を生産させました。同じく宮殿内の陶磁器コレクションには、17，18世紀の中国や日本の陶磁器を始め、マイセンの陶磁器の名品が数々展示されています。今も工房があるマイセンへはドレスデンから列車で30分。工房内にはマイセンの食器でお料理がいただけるレストランもございます。ドレスデンに宿泊して日帰り旅行をされてみてはいかがでしょうか？

そしてドレスデンと言えば一番有名なのはクリスマスマーケットではないでしょうか。世界で最古のマーケット（1434年から）と言われています。世界一大きいクリスマスピラミッドが町全体を輝かせます。クリスマスには欠かせないドイツのお菓子「シュトレン」やバウムクーヘンの街でもあります。

歴史に彩られた芸術の古都へ是非訪問してみてください。

写真© Dresdner Philharmonie Markenfotografie

芸術と文化の町ドレスデンでは毎年5～6月にかけてドレスデン音楽祭が開催されます。開催中の1ヶ月間、約2500人もの音楽家がドレスデンを盛り上げ、世界中から10万人を超えるクラシックファンが集まります。

ドレスデン音楽祭はドレスデン州立歌劇場「ゼンパー・オペラ」をはじめ、文化宮殿、教会、古城、博物館、メッセなど、バロック様式からモダンな建物まで20以上の会場で華やかで国際的な音楽祭が繰り広げられます。演奏される音楽のジャンルも交響曲、オペラ、バレエ、ジャズなど多岐に渡り、それぞれの場所で異なる雰囲気や趣の音楽を鑑賞することができます。

♪ドレスデン音楽祭の会場をご紹介（抜粋）♪

◎ゼンパーオペラ（ザクセン州立歌劇場）

劇場建築家、ゴッドフリード・ゼンパーにより19世紀に建設されたザクセン州立オペラ劇場です。ワーグナーの「タンホイザー」やリヒャルト・シュトラウスの「サロメ」「ばらの騎士」などが初演されました。最も美しく、最も権威のあるオペラハウスのひとつです。

◎文化宮殿

1969年に、新しいコンセプトを基に、コンサートホール、市立中央図書館、ショー劇場「ヘルクレスホール」から成るバウハウス様式の「文化宮殿」がオープンしました。高度な音響設備の整ったハイレベルのコンサートホールで、中央の舞台を囲む観客席から臨場感溢れるコンサートを堪能することができます。

◎フラウエン教会

もともとはドイツ最大のプロテスタント教会で1743年に完成しました。直径25ｍもの大ドームをもつ丸天井が印象的なバロック様式の白亜の教会です。第二次世界大戦の空襲で焼失しましたが、1994年から当時の瓦礫をできるだけ元の位置にあてはめながら再建を開始し、2005年に完成、現在では平和のシンボルになっています。

◎シュロス・ヴァッカーバース

ドレスデン北西の郊外ラーデボイル村にあるザクセン州立のワイナリーです。バロック式の庭園、近代的なワインとスパークリングワイン工場が独特なハーモニーを醸しだしています。建物内では、結婚披露宴、コンサート、読書会、講演会などのイベントが月に200回ほど開催され、醸造所内にあるワイン直売所にもたくさんの観光客が訪れます。見学ツアーなども開催されています。

写真© concertgebouworkest official website

2024年のドレスデン音楽祭はベルリン・フィル＆ウィーン・フィルに並び、世界3大オーケストラのひとつ「ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団」がオープニングを飾ります。2027年の新首席指揮者就任が決定している若手指揮者、クラウス・マケラがタクトを振ります。

★ドレスデン音楽祭♪★『オープニングコンサート』（会場：文化宮殿）

演奏：　ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
指揮：　クラウス・マケラ
演目（予定）：アントン・ブルックナー「交響曲第5番変ロ長調」

＊プログラムは2023年9月発表のものです。プログラムや出演者は主催者の都合で変更となることがございますのでご了承ください。

写真© gmp Architekten von Gerkan, Marg und Partner

★ドレスデン音楽祭・2024年5月9日～6月9日★

◎5月9日（木）『ワーグナー：ワルキューレ＆チクルス・ニーベルングの指環Ⅱ」

時間＆会場：17時～文化宮殿にて
演奏：ドレスデン祝祭管弦楽団、コンチェルト・ケルン
指揮：ケント・ナガノ
演目：リヒャルト・ワーグナー「ワルキューレ」、チクルス「ニーベルングの指環」Ⅱ

◎5月10日（金）『オープニングコンサート：コンセルトヘボウ管弦楽団＆クラウス・マケラ』

時間＆会場：19時30分～文化宮殿にて
演奏：ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
指揮：クラウス・マケラ
演目：アントン・ブルックナー「交響曲第5番変ロ長調」

◎5月19日（日）『緑の中でセレナーデ』

時間＆会場：17時～ピルニッツ宮殿、宮殿の庭園（オープンエア）にて
演奏：ドレスデン聖十字架合唱団
指揮：マルティン・レーマン・クロイツカントール

◎5月20日（月）『エレーヌ・グリモーとカメラータ・ザルツブルク』

時間＆会場：19時30分～文化宮殿にて
演奏：エレーヌ・グリモー（ピアノ）、カメラータ・ザルツブルク
演目：ベートーヴェン「序曲《コリオラン》作品62」、シューマン「ピアノ協奏曲イ短調作品54」、メンデルスゾーン「交響曲第1番ハ短調作品11」

◎5月22日（水）『イゴール・レヴィット：ピアノリサイタル』

時間＆会場：19時30分～文化宮殿にて
演奏：イゴール・レヴィット（ピアノ）
演目：マーラー「交響曲第10番からアダージョ（ロナルド・スティーヴンソンによる編曲ピアノ版）」、パウル・ヒンデミット「組曲《1922年》作品26」、ベートーヴェン「交響曲第3番変ホ長調作品55《英雄》（フランツ・リストによる編曲ピアノ版）

◎5月24日（金）『マティアス・ゲルネとマルクス・ヒンターホイザー』

時間＆会場：19時30分～シャウシュピールハウスにて
演奏：マティアス・ゲルネ（バリトン）、マルクス・ヒンターホイザー（ピアノ）
演目：ロベルト・シューマンの歌曲

◎5月25日（土）『ドレスデン聖十字架合唱団とドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団』

時間＆会場：19時30分～文化宮殿にて
演奏：ドレスデン聖十字架合唱団、ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮：マーティン・レーマン
演目：シューベルト「ミサ曲第5番変イ長調D678」、プーランク「《グローリア》（ソプラノ・合唱・管弦楽のための）」

◎5月26日（日）『ロザコヴィッチ＆ストックホルム・フィルハーモニー』

時間＆会場：11時～文化宮殿にて
演奏：ダニエル・ロザコヴィッチ（ヴァイオリン）、ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団
指揮：マンフレッド・ホーネック
演目：アンドレア・タッローディ「きりん座」、シベリウス「ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47」、ドヴォルザーク「交響曲第8番ト長調作品88」

◎5月28日（火）『ホープ＆フォーグラー＆ベルリン・ドイツ交響楽団』

時間＆会場：19時30分～フラウエン教会にて
演奏：ダニエル・ホープ（ヴァイオリン）、ヤン・フォーグラー（チェロ）、ベルリン・ドイツ交響楽団
指揮：アンナ・ラキティナ
演目：フローレンス・プライス「アドレーション」、ミクロス・ロージャ「白い恐怖」、ジョン・ウィリアムズ「シンドラーのリスト」、ミクロス・ロージャ「協奏交響曲作品29」、チャイコフスキー「交響曲第5番ホ短調作品64」

◎5月29日（水）『ジャニーン・ド・ビーク＆コンチェルト・ケルン』

時間＆会場：19時30分～フラウエン教会にて
演奏：ジャニーン・ド・ビーク（ソプラノ）、コンチェルト・ケルン
演目：ヘンデル、テレマンのオペラの作品

◎5月30日（木）『ヨーゼフ・ハイドン、四季』

時間＆会場：19時30分～フラウエン教会にて
演奏：ラ・カペラ・ナショナル・デ・カタルーニャ
指揮：ジョルディ・サバール
演目：ヨーゼフ・ハイドン「オラトリオ《四季》Hob.XXI:3」

◎6月4日（火）『フォーグラー＆フィルハーモニア管弦楽団』

時間＆会場：19時30分～文化宮殿にて
演奏：ヤン・フォーグラー（チェロ）、フィルハーモニア管弦楽団
指揮：サントゥ＝マティアス・ロウヴァリ
演目：リスト「ハンガリー狂詩曲第2番（オーケストラバージョン）S.359/2」、アンナ・クライン「チェロと管弦楽のための《ダンス》」、エルガー「ニグマ変奏曲作品36」

◎6月5日（水）『ノルドシュタット＆ドレスデン祝祭管弦楽団』

時間＆会場：19時30分～文化宮殿にて
演奏：アストリッド・ノルドシュタット（メゾソプラノ）、ドレスデン祝祭管弦楽団
指揮：マルク・ミンコフスキ
演目：オッフェンバック「《ラインの妖精》からの抜粋」、ワーグナー「ヴェーゼンドンク歌曲集WWV91」、メンデルスゾーン「交響曲第3番イ短調作品56《スコットランド》」

◎6月7日（金）『バッハ：ミサ曲ロ短調』

時間＆会場：20時～フラウエン教会にて
演奏：コレギウム・ヴォカーレ・ゲント
指揮：フィリップ・ヘレヴェッヘ
演目：バッハ「ミサ曲ロ短調BWV232」

◎6月9日（日）『チェコ・フィルハーモニー管弦楽団＆ヤクブ・フルシャ』

時間＆会場：19時～文化宮殿にて
演奏：チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
指揮：ヤクブ・フルシャ
演目：ベドルジハ・スメタナの作品より

写真©Matthias Creutziger

★ドレスデン音楽祭開催期間中のゼンパーオペラの公演一覧★

5月8日（水）ヴェルディ作「オペラ・オテロ」
5月9日（木）モーツァルト作「オペラ・魔笛」
5月11日（土）ヴェルディ作「オペラ・オテロ」
5月12日（日）ヴェルディ作「オペラ・ドン・カルロ」
5月17日（金）ヴェルディ作「オペラ・オテロ」
5月18日（土）ヴェルディ作「オペラ・ドン・カルロ」
5月24日（金）モーツァルト作「オペラ・魔笛」
5月25日（土）モーツァルト作「オペラ・フィガロの結婚」
5月27日（月）モーツァルト作「オペラ・魔笛」
6月1日（土）モーツァルト作「オペラ・フィガロの結婚」
6月4日（火）モーツァルト作「オペラ・魔笛」
6月8日（土）ヴェルディ作「オペラ・ドン・カルロ」
6月9日（日）モーツァルト作「オペラ・魔笛」

◎9月5日（木）『トリフォノフ＆ゲヴァントハウス管弦楽団』

時間＆会場：19時30分～文化宮殿にて
演奏：ダニール・トリフォノフ（ピアノ）、ゲヴァントハウス管弦楽団
指揮：アンドリス・ネリソンス
演目：ブラームス「ピアノ協奏曲第2番変ロ長調作品83」、シェーンベルク「交響詩《ペレアスとメリザンド》作品5」

◎9月17日（火）『ウィーンフィル管弦楽団＆ティーレマン』

時間＆会場：19時30分～文化宮殿にて
演奏：ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
指揮：クリスティアン・ティーレマン
演目：シューマン「交響曲第1番変ロ長調作品38《春》」、ブルックナー「交響曲第1番ハ短調WAB101」

ドレスデンの町の南東部、チェコとの国境沿いに広がるザクセン地方の森。深い緑の木々と浸食された岩山が広がるこの地域は『ザクセンスイス』と呼ばれています。
ヨーロッパでは珍しいこの風景は、国立公園に指定されています。白亜紀まで歴史を遡る奇岩の絶景に出会えます。

ザクセンスイスのハイライトは、奇岩にかかる『バスタイ橋』。『バスタイ橋』へは、ドレスデンからまずは鉄道で約35分。駅からは渡し船で対岸へ渡り、登山口からハイキング開始。岩々の間を潜り抜け、1時間ほど登りやっとお目当ての『バスタイ橋』に辿り着きます。そこに待っているのは、白亜紀まで歴史を遡る奇岩の絶景。もちろん、エルベ川の素晴らしい眺望も堪能できます。

ザクセンスイスに来たら、隣町にあるドイツ最大の要塞『ケーニヒシュタイン要塞 』にも足を運びましょう。高台に立つ要塞は教会があったり、カフェがあったり、井戸があったり、ワインセラーがあったりとかなり広く、いかにもドイツらしい荘厳な要塞は必見です！大自然が生み出した絶景に出会えるザクセンスイス。ドレスデンから日帰りで行くことができるので、ドレスデンを訪れる際は是非合わせて訪れてみてはいかがでしょうか？

ドイツで春の味覚の代表格といえば『白アスパラガス（ドイツ語でSpargel ：シュパーゲル）』！日本でも最近は生のシュパーゲルを見かけるようになりましたがやはりまだまだ緑が主流。でもドイツ人にとってはアスパラガスと言えば白！皆　このシュパーゲルの季節を心待ちにしています。シュパーゲルの旬は4月中旬～6月中旬で、この期間になるとスーパーでもマーケットでも山積みにして売られています。そして、買う単位は「本」ではなく「キロ」。1kgは当たり前で普通に3～4kgは購入して行きます！一番人気は綺麗な黄色の「ホランデーズソース」と共に食べるもの。ドレスデン音楽祭を訪れる際は是非このシュパーゲルをお試しくださいね。